お疲れ様です!会社員として資産形成に取り組んでいるアライグマです!
3年前の冬、私は会社のトイレの個室で、スマホの画面を睨みつけながら深いあめ息をついていました。
「また下がってる…あの時売っておけばよかったのか?」
当時、私は「億り人」を目指して、話題の個別株や高配当株を買い漁っていました。
仕事中もこっそり株価をチェックし、上がればぬか喜びし、下がれば仕事が手につかなくなる。
そんな日々を過ごしていましたが、ある日ふと気づいたのです。
「あれ、これだけ時間をかけて毎日一喜一憂しているのに、資産が大して増えていないぞ…?」と。
結論から言います。
私たち会社員が資産形成においてコントロールすべき変数は、予測不可能な「利回り」ではありません。
自分の意志で確実にコントロールできる「入金力」です。
今回は、筆者が「利回り追求」という沼から抜け出し、資産3000万円への最短ルートを見つけたきっかけとなった「入金力の魔法」について、衝撃的なシミュレーション結果とともにお伝えします。
資産形成の公式:初心者が陥る「利回り」の罠
変えられない変数と、変えられる変数
資産形成の大原則となる公式があります。トマ・ピケティの『21世紀の資本』の話ではありませんが、基本は非常にシンプルです。
資産増加額 = (収入 - 支出) + (資産 × 利回り)
この式の左側「収入 – 支出」がいわゆる「入金力(貯蓄)」であり、右側「資産 × 利回り」が「運用益」です。
多くの初心者は、投資を始めるとすぐに右側の「利回り」を上げようと躍起になります。
「年利5%より10%の銘柄はないか?」「レバレッジをかけて一発逆転だ」と、血眼になって銘柄分析を始めます。
しかし、資産がまだ少ない初期段階(数百万〜1000万円未満)では、右項のパワーは微々たるものです。
例えば、資産100万円で利回り10%という神がかり的な運用をしても、利益はたったの年間10万円(月8000円)です。
ウォーレン・バフェットですら年利20%程度と言われる世界で、素人が安定して10%を出し続けるのは至難の業です。
一方で、家計を見直して月1万円の節約をする(入金力を高める)ことは、誰にでも再現性高く、今すぐできます。
生活防衛資金の作り方でも解説しましたが、まずは守りを固め、確実に手元に残るお金(キャッシュフロー)を増やすこと。これが資産形成の初期において最も投資対効果(ROI)が高い戦略です。
「お金の大学」でも語られている通り、まずは「貯める力」を鍛えることが、小金持ちへの第一歩です(参考:本当の自由を手に入れる お金の大学)。
シミュレーション:利回り7% vs 入金力+2万円
20年後の未来を変えるのはどっち?
「S&P500の平均利回りは約7%だから、それを前提に計画しよう」
多くの本やブログで書かれていることですが、これを個人の資産運用にそのまま当てはめるのは危険です。
なぜなら、市場平均はあくまで「超長期の平均」であり、あなたが運用する20年の間に大暴落が来ない保証はどこにもないからです(標準偏差のリスク)。
リーマンショック級の暴落が来れば、資産は半分になります。その時、多くの人は狼狽売りをして市場から退場してしまいます。
一方で、「節約して月2万円を投資に回す」ことは、市場環境に関わらず100%確実に実行できます。
「コントロールできない利回り(7%)」と「コントロールできる入金力(+2万円)」。
どちらが資産形成にインパクトを与えるのか、シミュレーションしてみました。
- ケースA(入金力重視):月5万円積立、利回り5%(現実的なリターン)
- ケースB(利回り重視):月3万円積立、利回り7%(楽観的なリターン)
特に注目すべきは、ケースBの「利回り7%」を実現し続ける難易度です。
インデックス投資であっても、年によってはマイナス20%になることもあれば、プラス30%になることもあります。
平均して7%を出すには、かなりのリスク許容度と、暴落時にも積立を止めない強靭なメンタルが必要です。
対して、ケースAの「月プラス2万円」は、スマホを格安SIMに変え、外食を数回減らすだけで達成可能です。
努力の方向性が全く異なるのです。
結果として、20年後の資産額はどうなるでしょうか。
グラフを見ていただければ一目瞭然ですが、入金力を高めたケースAの方が、約500万円以上も資産が多くなります。
たとえ運用利回りが2%低くても、月2万円の入金力の差を覆すことはできないのです。
多くの人が「どの銘柄が儲かるか」に血道を上げていますが、実はiDeCoの始め方と節税効果シミュレーションでも触れた通り、税制優遇を活用しながら「種銭(入金)」を最大化する方が、資産形成のスピードは圧倒的に早くなります。
インデックス投資のバイブル『ほったらかし投資術』でも、入金力の重要性は繰り返し説かれています(参考:全面改訂 第3版 ほったらかし投資術)。


会社員が入金力を高めるための「攻め」の家計見直し
節約は「我慢」ではなく「最適化」
「月2万円も捻出できないよ」という声が聞こえてきそうですが、それは節約を「我慢」と捉えているからです。
会社員がやるべきは、電気をこまめに消すような「守りの節約」ではなく、一度設定すれば効果が永続する「攻めの家計最適化」です。
「節約=貧しい生活」というイメージを捨ててください。
筆者が実践したのは、生活の質(QOL)を一切落とさずに、無駄な脂身だけを削ぎ落とす「筋肉質な家計作り」です。
ケーススタディ:月5万円の入金力を生み出したTさんの事例
ここでは、筆者の友人であるTさんの事例を紹介します。彼もかつては「貯金ゼロ」の浪費家でした。
- 状況 (Before): 都内在住の30代男性(Tさん)。手取り25万円で、毎月使い切り生活。貯金は月1万円がやっと。「給料が上がらないから投資なんて無理」と諦めていた。保険料に月1.5万円、スマホ代に月1万円払っていたほか、コンビニでの「なんとなく買い」が月2万円を超えていた。
- 行動 (Action): まず固定費にメスを入れた。
- 通信費の削減: 大手キャリアから格安SIM(ahamo)に変更し、月10,000円→2,980円に(-7,000円)。
- 保険の見直し: 独身のため、不要な積立保険を解約して掛け捨ての医療保険(月3,000円)のみに変更(-12,000円)。
- 副業の開始: 通勤時間の30分を使ってポイ活と不用品販売(メルカリ)を開始。家にある不要な服やガジェットを売却し、月平均1万円の副収入を得るようになった。
- 残業代のルール化: 生活費は基本給だけで回し、変動する残業代は「なかったもの」として全額投資口座に自動送金する設定にした。
- 結果 (After): 家計の満足度を下げることなく、月4万円〜5万円の投資資金を確保できるようになった。投資額が月1万円→5万円(5倍)になったことで、資産増加スピードが劇的に向上し、わずか1年半で資産100万円の壁を突破した。
Tさんがやったことは、特別なスキルが必要なことではありません。
「なんとなく払っていたお金」を止血し、「なんとなく過ごしていた時間」をお金に換えただけです。
特に大きかったのは、「残業代を生活費に組み込まない」というルールです。多くの人は、残業代が多い月は生活レベルを上げてしまいますが、Tさんはそれを鉄の意志で阻止しました。
家計簿をつけない家計管理術を使えば、こうした仕組み作りは誰でも可能です(参考:年収200万円からの貯金生活宣言)。
PjM視点:プロジェクトの「リソース配分」を変える
「銘柄分析」というタスクのROIは低い
私はPjM(プロジェクトマネージャー)として、プロジェクトでメンバーのリソース管理をする際、「ROI(費用対効果)の低いタスクにリソースを割かない」ことを徹底しています。
工数をかけても成果が出ない作業は、勇気を持って「やらない(Drop)」判断をするのがPMの仕事です。
これを個人の資産形成プロジェクト(筆者自身のプロジェクト)に置き換えてみましょう。
資産形成プロジェクトにおける「リソース」とは、あなたの「時間」と「精神的エネルギー」です。
- 銘柄分析・タイミング投資:膨大な勉強時間と精神的負荷がかかる割に、プロの機関投資家に勝てる確率は低い。チャートに張り付く時間は、時給換算すれば0円どころかマイナスです(ROI超低)。
- 家計改善・副業・スキルアップ:やった分だけ確実にキャッシュフローが増え、本業の年収アップにも繋がる。自己投資のリターンは青天井です(ROI高)。
現場で優秀なエンジニアほど、コードを書く時間を最大化するために、環境構築やテストを自動化します。
投資も同じです。運用(銘柄選定・リバランス)はインデックスファンドというツールに任せて「自動化」し、空いた時間と脳のリソースを「入金力を高める活動」に全振りすべきです。
それが、会社員が勝てる唯一の戦略です。
一括投資か分割投資かで悩む時間があったら、その時間でメルカリに出品するか、資格の勉強をしましょう。その方が資産は確実に増えます(参考:敗者のゲーム 原著第8版)。
失敗しない証券会社選びのポイントは、手数料の安さとツールの使いやすさです。
| 比較項目 | DMM株 | 松井証券 |
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まとめ
「利回り」は神様しかコントロールできませんが、「入金力」はあなたが今すぐコントロールできます。
今回のポイントを振り返ります。
- 資産形成の初期は「利回り」より「入金力」の影響が圧倒的に大きい。
- わずか2%の利回りを追うよりも、月2万円の節約をする方が20年後の資産は増える。
- 節約は我慢ではなく、固定費の「最適化」で無痛で行う。
- 投資は自動化し、自分のリソースを「稼ぐ力(副業・本業)」に集中させる。
まずはスマホのプランを見直す、コンビニに行く回数を減らす、そんな小さな「入金力向上」から始めてみてください。
その小さな一歩が、20年後のあなたに数千万円という自由をもたらしてくれます。









